NEW:2017/01/11

ポスト真実

 ポスト真実(post-truth)とは、真実・事実よりも重視されるものを指し、主に政治等では「客観的事実より感情に訴えかける」手法とされる。英語のpostには様々な意味があるため直訳は難しいが、一般的には「次の」や「~に代わる」という意味合いとして使われる。
 英国・オックスフォード辞書は、このキーワードを2016年「Word of the year」に選出し、意味を「世論形成において、客観的事実より感情や個人的信条へ訴えかける方が、より影響力があるような状況」を指す言葉とした。

 2016年のEU離脱の是非を問う国民投票においてや、米国大統領選を論じる際にこの言葉が良く使われ、多くのフェイク(虚偽)ニュースサイトの存在なども合わせて議論された。
 日本ではDeNAやサイバーエージェント等IT大手の運営するキュレーションメディアにおいて、収益のために、盗用含め安価で生産できる、虚偽や不確実な情報を大量に配信し、問題が表面化してサイトを閉じるといった事例などもある。(KK,2017/01)





新着5キーワード

プロバイダ責任制限法

 インターネットでの情報流通において、著作権等の権利侵害時、プロバイダが負う責任の制限や、発信者情報の開示請求の権利を定める法律。2002年(平成14年)5月27日施行。プロバイダ責任法とも呼ばれる。正式名称は「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」。
 特定電気通信役務提供者(プロバイダ)とは、いわゆるインターネットプロバイダ(So-net等の接続業者)だけでなく、通信を行う携帯キャリア(NTTドコモ等)や、コンテンツプロバイダ(企業や団体の運営するホームページやソーシャルメディア)、個人の運営する電子掲示板等も含まれ、第3者が自由に書き込み・投稿できるメディア等全般が対象となる。
 またプロバイダ責任法は国内法のため、海外拠点のソーシャルメディア(フェイスブック:アイルランド、2ちゃんねる:シンガポール・フィリピン)等は、直接の請求がしにくいか、実質できない場合もあるので注意が必要。

 プロバイダ責任制限法は、文字通りプロバイダ側が負う賠償責任を制限するのが主旨となっている。この法律が無ければプロバイダは権利侵害を主張する者と、正当な発信だと主張する両者から責任を追及され、実質運営が困難になるため制定された背景がある。これはプロバイダ側が情報流通において、情報の送信を防止するのが技術的に不可能な場合や、権利侵害の情報が流通していると知らなかった場合に、権利侵害で発生した損害だけでなく、情報の流通を防止したことによって発生した発信者の損害等も含まれ、これらのプロバイダ側の責任を制限することで速やかな対応を行うためのものとなっている。

 また、プロバイダ責任制限法では、著作権やプライバシーの侵害を受けた際に、被害者がプロバイダに対して「送信防止請求措置」ができる権利と、侵害をした加害者を特定するための「発信者情報開示請求」ができる権利が認められている。
 具体的な請求方法は「プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会」が発行するガイドラインに従い、請求者の本人確認資料や、権利侵害の証拠資料等の提出が必要になる。原則は書面での提出となっているが、電子メール等の手段も認められている。
 重要なのは「侵害された権利は何か」となるが、権利侵害と主張しても、法的には侵害に当たらないケースもあるため、著作権等やプライバシー侵害等の知識は理解しておく必要がある。

 提出された資料をもとにプロバイダ側は発信者情報を確認し、確認できた場合は発信者に対して意見を聴取する。また確認できない場合や、特定が困難な場合は行わなくても良いとされている。
 開示請求の場合は、権利侵害が明らかで、情報開示を受ける正当な理由があると判断した場合に行われ、省令により「発信者の氏名・住所・メールアドレス・IPアドレス・日時」が開示される。(2017/01,KK)

プレミアムフライデー

 世耕弘成経済産業相が2016年12月9日、経済産業省や経団連、小売り、旅行などの業界団体でつくる「プレミアムフライデー推進協議会」の設立を発表し、12日の第1回協議会にて実施方針や、統一ロゴマークなどが決定された。

 毎月末の金曜日は午後3時を目処に早めに仕事を切り上げ、個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買物や外食、旅行等)をする時間を創るというもの。
 プレミアムフライデーは強制するものではなく、あくまでも賛同する事業者、企業が行うものとされるが、各制度の活用や、金曜を核として日曜日までの3日間とするなど柔軟に設定することも推奨しており、働き方の改革につなげていきたいとの狙いがある。
 またそれに合わせ、ショッピングセンターや商店街などがイベントや独自の商品を販売したり、外食産業や旅行業界がキャンペーンやイベントを行ったりといった販売戦略を企画することで、幅広い分野での消費を喚起したい考え。

 第1回のプレミアムフライデーは2017年2月24日から実施される。

今年の漢字「金」(2016年)

 財団法人 日本漢字能力検定協会が、その年の世相を漢字一文字で表す毎年恒例のイベント「今年の漢字」。
 全国から募集し、票数が最も多かった文字を同協会が定める「漢字の日(12月12日)」に京都・清水寺にて、森清範貫主が縦150cm、横130cmの越前和紙に広島県産の熊野筆で力強く揮毫(きごう)し、発表した。

22回目となる2016年は「金」。
153,562票の応募総数のうち6,655票を集めた。

 リオデジャネイロオリンピックでの日本勢の金メダルラッシュ、前東京都知事の辞任にまつわる「政治と金」問題、米大統領選を制したドナルド・トランプ氏の金髪、金色の衣装が印象的なピコ太郎、東京オリンピックに関わるお巨額経費(お金)問題、イチロー選手の通算3000本安打達成の金字塔、などが理由に挙がった。
 なお「金」は2012年にも選出されており、この年はロンドンオリンピックでの日本勢の金メダルラッシュ、932年ぶりに広範囲で観測した「金環日食」などがあった。

 そのほかの順位は、2位「選」、3位「変」、4位「震」、5位「驚」、6位「米」、7位「輪」、8位「不」、9位「倫」、10位「乱」。

著作権ロンダリング

 ロンダリング(laundering)は直訳すると「洗濯・洗浄」となるが、主にマネーロンダリング(資金洗浄)などで用いられる言葉。マネーロンダリングとは不法な取引や脱税等で得られたお金を、資金の出所を分からなくするために他人や架空名義の口座を何度も経由させることで、元を辿れなくする行為のこと。

 著作権ロンダリングは造語で、マネーロンダリングと同様に、著作権違法の画像や文章(以下素材)を、合法で利用しているように見せかける行為のことを指す。

 具体的には、著作権の範疇では通常勝手に利用できない素材を、まずソーシャルメディア(ツイッターやピンタレスト等)に投稿し、そのソーシャルメディアが正式に用意している共有ツールを使い、利用するというものが多い。当然最初にソーシャルメディアに投稿する際に、著作権の無い素材は投稿しない旨の規約があるが、最終的に投稿されてしまった画像を第3者が利用する場合は、ソーシャルメディアの規約違反をしない限り利用できてしまう。

 これら一連の流れは、ソーシャルメディア等が、自らはプラットフォームとして場を提供しているだけ、という立場を取り、著作権違反はそのメディアに投稿した投稿者の自己責任という姿勢のため、プラットフォーム側は責任を回避するケースが多い。これは「プロバイダ責任法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)」によって、プロバイダ(プラットフォーム)側が、その事実(著作権法違反)を知らなければ賠償責任を負わなくても良いとされていることも背景にある。

 もちろん実際は利用する側がソーシャルメディア上の規約の範囲内であっても、著作権や肖像権、著作者人格権等、また自動公衆送信権、送信可能化権等を侵害する場合もあるが、明確な場合を除いて責任追及が難しい場合もあり社会問題となっている。(2016/12,KK)

生前整理

 生きているうちに家具や資産など身の回りのものを片づけておくこと。高齢者本人の入院や施設への入所などが機になる。また本人だけでなく家族が担うこともある。
 65歳以上の単身世帯が560万世帯(総世帯の約1割)とされる中、廃棄物処理業者などの間で関心が高まり、業界では2013年に一般社団法人生前整理普及協会(名古屋市)が設立され、認定指導員や作業技能士の養成の動きも出ている。
 超高齢化社会と言われる昨今、本人が亡くなってからの「遺品処理」と比べ、遺族に処理の手間をかけることがない上、高齢者本人が処理に関われる。また「廃棄」を前提とした処理ではなく本人の思いのこもったコレクションや、十分価値のある品物などを二束三文で引き取られることなく、価値相応の価格で販売できるメリットもある。
 整理の手段としては買取業者の利用などがあるが、手軽な反面市場価値よりは確実に低くなる。この他手間はかかるがネットオークションへの出品等では市場価値以上で販売できることもある。このように価値があるものを販売できた場合は、廃棄物としての処分費用がかかる心配もなくなる。高齢者の間での「終活」の大きなステップとして近年位置づけられている。(ITEMLOG「終活関連用語」,2016/12)

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 アーカイブされたキーワードは、すべて総合辞書サイトJLogosへ収録しています。2000年8月より開始し、現在およそ5000語を収録しています。各キーワードはカテゴリごとに収録されているため、階層をたどりキーワードを見つけることができます。

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時事用語のABCにいて

時事用語辞典のパイオニア since 2000.08.

 「時事用語のABC」は、2000年8月に松山大学・檀研究室の社会活動としてスタート。「まぐまぐ」のメールマガジンで配信したところ、わかりやすく丁寧な最新時事用語の解説が好評をいただき、約3万人の読者を数えるまでになりました。
 2012年から辞書サイト「JLogos」を運営する株式会社エアが事業を継承。匿名のブログや「まとめサイト」と異なり、各方面の専門家やプロのライターによるライティングで、速報性とクオリティーを両立しながら、ニュースで話題のキーワードの意味や背景などを発信していきます。

【編集委員】
・小島孝治(株式会社エア代表取締役社長)
・南俊基(公認会計士、税理士、日本証券アナリスト協会検定会員):監査法人トーマツ、JASDAQ上場企業のバイオベンチャー創業期からの役員経験、財務省理財局にて財政投融資の調査業務に従事し、現在も財務省顧問として参画。南公認会計士事務所の所長として、メーカー、小売業、システム会社、医療機関、バイオベンチャー等に対して、営業戦略、イノベーション戦略、財務戦略、コスト管理、事業再編に関するコンサルティングを提供している。併せて、企業向けに、会計、財務等の研修を数多く行っている。

※そのほか新聞記者経験者をはじめ、様々な専門家からの寄稿によって成り立っております。

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