NEW:2017/02/02

忘れられる権利

 インターネット上に残る、自己に不都合な個人情報を検索できないよう求める権利。「拡大」や「炎上」によって侵害されたプライバシー救済のため、ヤフーやグーグルなどの検索エンジンから、ネット上の個人情報を削除してもらうよう検索事業者に要請できるとする権利。

 2009年にフランスで初めて使われた概念で、欧州連合((EU)の最高裁判所に当たる欧州司法裁判所がこの権利を認めたことから、ヨーロッパ発祥の概念とされる。

 これに対して米国では「真実をネット上に公表することにストップをかけるのは表現の自由に反する」との主張が強く、「忘れられる権利」の是非については見解が別れている。

 日本では、グーグルに対し、自分の逮捕歴に関する報道内容が表示されないよう記事の削除を男性が求めた裁判で、最高裁は2017年1月31日付の決定で、検索結果を表示する表現の自由と比べて「プライバシーの保護が明らかに優越する場合に限って削除できる」として、削除には厳格な条件を満たす必要があるとする判断基準を初めて示した。

 最高裁はこの決定の中で、検索結果で表示される情報の収集や整理は自動的に行われるが、そのプログラムは検索事業者の方針で作られるため、「表現行為の側面がある」として事業者に表現の自由の利益を認めたが、2014年にEUが認めた「忘れられる権利」には触れなかった。

 個人のプライバシーを含む記事などの検索結果を削除できるかどうかの基準については
(1)事実の性質や内容
(2)事実が伝達される範囲と具体的被害の程度
(3)その人の社会的地位や影響力
(4)記事の目的や意義

などとして、事実を公表されないことによるプライバシー保護の利益が「事業者の表現の自由を明らかに上回る場合には、削除できる」との判断を示した。(Ando,2017/1)





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所有者不明土地

 永年相続登記(不動産の名義変更)が行われずに、登記簿上で所有者が辿れない、または所有者が分かっても亡くなっているなどして連絡を取ることができない土地のこと。
 その土地の総面積は2016年時点で九州の広さを超える約410万ヘクタールに上るという推計が、2017年6月当時の総務相ら有識者でつくる「所有者不明土地問題研究会」より発表された。2040年には約720万ヘクタールに達する可能性もあるという。また公共事業が停滞したり土地が荒廃したりするなどの経済損失額が16年は約1800億円との試算も発表した。

【問題】
所有者がわからない土地の問題は、東日本大震災の復興時に顕在化した。原発事故に伴う除染廃棄物を保管する福島県の中間貯蔵施設予定地で、地権者約2400人の半数の行方が分からず、国による土地収用で確保できた用地は約4割。所有者不明者は住宅などの高台移転も円滑に進まず、復興の足かせとなっている。他にも山間部などで台風によるがけ崩れを復旧したくとも、山の所有者が分からず工事が進まないなど災害復旧が滞るケースや、山間部だけでなく道路整備などの公共事業、廃墟となり放置されている空き家の処分など各所で見られる問題となっている。

【なぜ発生するか】
不動産の権利登記は、相続した時点で理論上の名義は相続内容に沿って変更はされているが、実際に書き換える義務がないため、親の土地を相続する際等、手間と費用をかけて登記をしなくてもすぐに不利益が生じることはないといった現状があり、実際に売却や住宅ローンを組む際など必要が生じたときに行われることが多い。特に所有者が亡くなった後、登記を更新しないままでいるうちに、所有権をもつ相続人が子、孫と代々増えていき、そのまま数十年経過した後、全体像を把握することができなくなってしまうということが起きる。不動産の売買には全員の同意を得る必要があるため、一部の権利者が判明しただけでは取引ができず放置せざるを得なくなることも影響している。代々続く土地の場合権利者が数十人になる場合も珍しくなく、実際に全ての相続人を見つける事が不可能になる場合もある。

【解決にむけて】
国土交通省は2017年12月、所有者が分からないまま放置されている土地の活用を可能にする対応方針を決めた。公共事業を行う場合に、都道府県知事の裁定で所有者不明土地の場合でも「利用権」を設定し利用できるようにする。期間は5年程度を設定し、その間に所有者が現れなければ更新するなどの方法だ。また、所有者を探す手続きについても、法務局の登記官など行政機関が活用できる情報などの見直しを行うほか、長期的な課題として不動産登記制度のあり方、土地所有者の責務の見直しなど長期的な課題について引き続き検討をしていくこととなっている。(201801,K)

ワンオペ育児

2017年ユーキャン新語・流行語大賞候補語。
一人で家事、育児、仕事などをこなさなければならない状態。

ユーチューバー

2017年ユーキャン新語・流行語大賞候補語。
YouTube動画に独自で製作した動画を継続的に投稿する人、グループの名称。また、そのYouTube動画再生によって得られる広告収入で生活する人。

ポスト真実

2017年ユーキャン新語・流行語大賞候補語。
世論を形成する際に、客観的な事実よりも、個人的感情や信条へのアピールの方が重視され、影響力があるような状況をさす。英国のEU離脱決定や米国のトランプ大統領就任の際に多く用いられた。

ハンドスピナー

2017年ユーキャン新語・流行語大賞候補語。
アメリカで流行した玩具。指でまわして遊ぶシンプルなもの。

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 「時事用語のABC」は、2000年8月に松山大学・檀研究室の社会活動としてスタート。「まぐまぐ」のメールマガジンで配信したところ、わかりやすく丁寧な最新時事用語の解説が好評をいただき、約3万人の読者を数えるまでになりました。
 2012年から辞書サイト「JLogos」を運営する株式会社エアが事業を継承。匿名のブログや「まとめサイト」と異なり、各方面の専門家やプロのライターによるライティングで、速報性とクオリティーを両立しながら、ニュースで話題のキーワードの意味や背景などを発信していきます。

【編集委員】
・小島孝治(株式会社エア代表取締役社長)
・南俊基(公認会計士、税理士、日本証券アナリスト協会検定会員):監査法人トーマツ、JASDAQ上場企業のバイオベンチャー創業期からの役員経験、財務省理財局にて財政投融資の調査業務に従事し、現在も財務省顧問として参画。南公認会計士事務所の所長として、メーカー、小売業、システム会社、医療機関、バイオベンチャー等に対して、営業戦略、イノベーション戦略、財務戦略、コスト管理、事業再編に関するコンサルティングを提供している。併せて、企業向けに、会計、財務等の研修を数多く行っている。

※そのほか新聞記者経験者をはじめ、様々な専門家からの寄稿によって成り立っております。

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